ホーム > 鋳造・金型 用語解説 > アルミ鋳造・重力鋳造法とは?
松村精型では、アルミ鋳造・重力鋳造の鋳造技術、金型製作の、生産準備協力が可能です。
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重力(大気圧)を利用して金型の中の空洞部に溶融金属を流し込んで鋳物を作る方法を重力鋳造法といいます。
■ 利点
型が何回も使える…同じく重力を利用した砂型鋳造では、1製品につき1型必要です。
高気密なアルミ鋳物ができる…静かに溶融したアルミを型内に流すことができ、空気の巻き込みが少ないです
複雑な製品ができる…鋳造中の圧力が低く、砂中子が使用できるため、中空部分や複雑な鋳物の鋳造が可能です
■ 欠点
サイクルタイムが長い…溶融アルミがゆっくり金型内に充填し、金型温度が低く冷却速度が遅い
金型に塗型が必要…溶融アルミが型内でゆっくり冷やされるので、型とアルミが反応しやすく、境界となる型表面に塗型が必要です
■ 特徴
溶融金属が金型の中にスムーズに流入するので、空気の巻き込みが少なく、丁6熱処理や溶接ができます。鋳造時に溶融金属に作用する圧力は大気圧程度なので、砂で作った中子と呼ばれる型が使用でき、中空部を有する複雑な形状の鋳物の鋳造が可能です。
鋳造に使う装置(鋳造機)には、金型を手動で開閉するような簡単なものから、油圧シリンダにより自動で金型を開閉する大型のものがあります。また、自動鋳造機には上下あるいは左右に金型を開閉してその合わせ面に形成された湯口から溶融金属を金型に注湯する定置式鋳造機と、金型を傾斜させながら溶融金属を注湯する傾斜式鋳造機があります。後者は、注湯時の溶融金属の乱れが少ないことから、ガスの巻き込みや介在物の巻き込みが少なく品質のよい鋳物が得られます。そのため最近では主流になりつつあります。
金型材料は先に示しましたように耐熱鋼や鋳鉄が用いられますが、溶融金属が鋳込まれる金型表面には直接金型と溶融金属が接触しないようにコーティングが施されています。これを塗型といい、炭酸カルシウム、アルミナ、黒鉛などの耐熱性、断熱性のある粉末を水ガラスなどの粘結剤に混ぜて金型内面に塗布します。これにより、湯流れ性、離型性、金型の寿命向上が得られます。